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はむすたーとたわむれつつ、のんびり米国株に投資するブログ(分析編)

【VGT】米国情報技術セクターETFをくわしく分析してみました

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 バンガード・米国情報技術セクターETF(VGT)について分析してみた。

 

VGTは、私が実際に購入している数少ない、選び抜かれた銘柄のひとつでもある。

VGTのデータを見ただけでは、その銘柄が優れているのか、そうじゃないのかが分かりにくいので、アメリカ市場のベンチマークであるS&P500ETF(VOO)と比較しながら解説していきます。

 

VGTとよく比較されるETFに、QQQ(NASDAQ100)があるけど、QQQの分析と比較記事は別で書く予定です。

基本データ

ティッカー VGT VOO
銘柄名 バンガード
米国情報技術セクターETF
バンガード
S&P500 ETF
ベンチマーク MSCI USインベスタブル・マーケット・情報技術25/50インデックス S&P500 インデックス
投資対象 米国の情報技術セクターの大型株、中型株、小型株 米国の主要業種を代表する大企業500銘柄
ファンド設定日 2004/1/26 2010/9/7
データ基準日 2020/5/31
構成銘柄数 334 510
経費率 0.10% 0.03%
ETF純資産総額 299億ドル 1,392億ドル
時価総額の中央値 2,018億ドル 1,351億ドル
発行済株式数 115,237,017 496,814,430
50日平均出来高 1,162,241 7,214,157
売買回転率
 (会計年度末)
2019/8/31 2019/12/31
5.00% 3.90%

 

解説

  •  ベンチマークと投資対象

VGTは、世界最大級の資産運用会社であるバンガード社が運用しているETF。

セクター別ETFシリーズのひとつで、米国の情報技術セクターに連動している。

 

セクターとは、おおざっぱに言えば業種みたいなものとイメージしてもらえば大丈夫です。

このセクターは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス(SPDJI)と、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSCI)の2社が決めている世界産業分類基準(GICS)に基づいて分類されている。

 

現在、GICSには全部で11のセクターがあり、

バンガードの米国セクター別ETFには、不動産を除く10種類がある。

  GICS バンガードETF
1 一般消費財・サービス VCR
2 生活必需品 VDC
3 エネルギー VDE
4 金融 VFH
5 ヘルスケア VHT
6 資本財・サービス VIS
7 情報技術 VGT
8 素材 VAW
9 電気通信サービス VOX
10 公益事業 VPU
11 不動産 -

 

SPDJIとMSCIが世界産業分類基準(GICS)を決めているので、2社によってこの基準が変更されれば、連動しているETFの構成銘柄も変わることになる。

 

実際に、以前はVGTに入っていたGoogle(Alphabet)とFacebookは、2018年に電気通信セクターから改称されたコミュニケーション・サービスセクターへGICSの割り振り変更されたことで、VGTから去っていった。

このセクター分類は適宜変更されているので、セクター別ETFを買う際には、そういう不確実性があることにも注意が必要である。

 

 

  • 構成銘柄数

構成銘柄数は334社と多いけれど、上位10社で全体の6割、上位30社で8割近くを占めており、集中度は高くなっている。

構成銘柄の詳細についてはこの記事の後半で取り上げているので、そちらで説明します。

 

 

  • 時価総額の中央値

中央値なので、時価総額が大きい順に上から並べた時にちょうど真ん中にいる企業の時価総額のことです。

VGTは2,000憶ドルくらい、VOOは1,300憶ドルくらいなので、VGTの方が巨大企業が多いことが分かる。

 

 

  • 経費率

ETFを持っている間、毎年かかる費用が経費率。

VGTの経費率は、0.10%と非常に低い。

比較対象のVOOは0.03%ともっと低いけど、VOOが異常なだけ。

 

経費率が0.20%を下回ってれば、必要経費として割り切って良いレベル。

それに、バンガード社はファンド規模が大きくなると勝手に経費率を下げてくれるような良心的な会社なので、そこまで気にしなくていいと思う。

 

 

  • ファンド設定日とETF純資産総額

ファンド設定日は2004年で、16年ほどの運用実績がある。

それに、ファンド純資産総額も299億ドルと、数兆円クラスの巨大ファンドなので、早期償還されて運用が打ち切られる心配はまずなさそう。

 

 

  • 50日平均出来高

出来高が高いかはすごく重要。

流動性が低いと価格が飛びやすいので、買う時も、売る時も不利な価格で取引されやすくなる。

それに、何たらショックとかの時に売りたくなっても、売る相手を見つけてくるのが大変になる。

株も普段の買い物と同じで、自分が買うには売ってくれる相手が必要で、売るときには買ってくれる相手が必要。

日本のETFは流動性が低いものが多く、そういったETFの値動きを見てもらうと、私の言ってる意味がわかると思います。

VGTの平均出来高は100万株を超えているので、多くても数億円規模にしかならない個人投資家レベルなら流動性的に問題はない。

 

 

  • 売買回転率

VGTの売買回転率は5%と、VOOと同程度で特段の問題はない。

この値が高すぎると、入れ替えの際の売買コストが高くなるので、パフォーマンスに影響を与えることになる。

入れ替え時の売買コストを負担するのは、運用会社ではなく、投資家です。

 

 

成長性

バンガード社データ

ティッカー VGT VOO
データ基準日 2020/5/31
株価収益率(PER) 28.1 22.6
株価純資産倍率(PBR) 7.5 3.2
収益成長率 18.66% 13.93%
自己資本利益率(ROE) 26.04% 19.62%

 

  モーニングスター社データ 

ティッカー VGT VOO
データ基準日 2020/5/31
Price/Earnings 25.99 22.87
Price/Book 5.89 2.87
Price/Sales 4.17 2.08
Price/Cash Flow 17.11 11.30
Long-term Earnings % 11.18 8.65
Historical Earnings % 14.88 11.48
Sales Growth % 7.69 6.92
Cash-Flow Growth % 9.16 7.54
Book-Value Growth % 8.55 6.62

  

次に、ETFの成長性について。   

ETFと言っても、中身は企業の集合体でしかないので、一つの企業と同じように見ればいい。

株価はしょせん、その時に人気があるかどうかの結果に過ぎないので、それよりも成長性とかの実体の方が重要。

成長性などの実体がないのに漠然とした人気だけで株価が上がっている銘柄は、そっぽを向かれたら落ちるのも早いし、戻ってくるまでの時間もかかる。

反対に、実体がある優良企業の株は、何たらショックで一緒くたに売られとしても、戻りが早い。

実際、VGTは2020年3月のコロナショックで落ちたけどても、5月にはほぼ値を戻していた。

 

ちなみに、同じ基準日なのにバンガード社とモーニングスター社で数値が異なるのは気になるけど、どっちが正しいかはわからない・・・

どちらも構成銘柄の加重平均で算出しているようだけど、そのほかの算出方法や、データ締め日の違いなどが影響してるのかもしれない。

いずれにせよ、他の銘柄と比較して良いのか悪いのかといったことが分かればいいので、銘柄を比較する時はバンガード社かモーニングスター社どちらか一方のサイトのデータで比較すればいいと思います。

個別株との比較は・・・、保守的なデータの方を使っておけばいいのかな?

あと、本当は各数値の中身まで見て、さらに複数年のデータで比較しないと正確な判断はできないけど、データがないので、あるデータを使って読み解いていくしかありません。

 

 解説

  • 売上成長率

成長性を見るときは、まずは売上成長率、収益成長率が重要。

売上げはちゃんと伸びているか?

株主の取り分である純利益は伸びているか?

売上が伸びなければ、企業が成長していかないし、インフレにも対抗できない。

一方で、売上が伸びても、コストも高ければ、株主の利益である純利益が増えていかない。

 

VGTの売上成長率は7.6%で、6.9%のVOOを上回っている

7%は10年でほぼ倍になるペースなので、順調と言ってもいい。

 

 

  • 収益成長率

収益がどれほど伸びているかがわかるので、収益成長率はかなり大事な数値。

EPSが高くなると、株価にも反映される可能性が高い。

株価は結局は人気で決まるので、あくまでも「可能性」ね。

 

VGTは14.8~18.6%と2桁成長で高めなので、申し分ない

VOOも11.4~13.9%と十分高いけど、VGTの方が高い。

 

「Long-term Earnings %」はアナリスト予想の値で使ってないから、私が使ってるのは「Historical Earnings %」の方です。

 

 

  • 自己資本利益率(ROE)

これも投資家としては重要な数値。

自己資本を使って、どれくらいの純利益(株主の利益)を稼ぎ出しているかが分かる数値。

 

VGTは26.0%と高いので、19.6%のVOOよりも効率的にお金を稼いできていることが分かる。

自己資本利益率が高いと、EPSが上がるスピードも速くなるので、株価に反映される可能性が高くなる。

これも、あくまでも「可能性」ね。

計算式の分母である自己資本が成長してるし、収益自体が伸びているので、無理やりROEを上げるために自己資本を減らしているどこぞの企業とは違って大丈夫そう。

 

 

  • キャッシュフロー成長率

cash earningsとのことなので、営業キャッシュフロー成長率のことだと思う。

キャッシュフローも中身を見ないと判断できないけど、基本的には成長している方がいい。

VGTは9.1%で成長している。

 

 

  • 純資産成長率

純資産は企業の資産から負債を差し引いた額のことで、株主の持ち分なので、これも伸びていることが重要。

VGTは8.5%で、6.6%のVOOを上回るペースで成長している

 

 

  • 株価収益率(PER)

株価収益率は、株価が純利益の何倍になっているかを表している。

買う時には低く、売る時には高くあってほしい数値。

VGTは26~28倍で、ベンチマークのVOOの約23倍に比べると高め

それだけ今は人気(お金)が集まっているということ。株価は人気なのでいつまで続くかはわからない。

 

 

  • 株価純資産倍率(PBR)

株価純資産倍率は、株価が純資産の何倍になっているかを表している。

これも買う時には低く、売る時には高くあってほしい数値。

VGTは6~7倍くらいで、3倍程度のVOOに比べると高め

これも人気があった結果。

 

 

  • 簡単なまとめ

VGTは、成長性データのすべてでVOOを上回っている

成長性が高い企業にはお金(人気)が集まりやすいので、PERやPBRも高くなっている

 

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株価とトータルリターン

株価チャート

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赤が、VGT

黒が、S&P500

 

チャートの始まりは、VGTが設定された2004年からで、そのころはVOOはまだ出来てないので、比較対象に原データのS&P500をつかってます。

 

初めのころは50歩100歩で抜きつ抜かれつつだったけど、2014年くらいから徐々に差が開いてきて、今では倍以上の差が開いている。

さっき見てきた成長性などのデータでは倍以上の差は開いていないので、情報技術セクターに対する投資家の期待が大きいことが分かる。

これまでの期待の結果なので、将来的にはどうなるかは分からない。

 

また、チャートからはコロナショックからの立ち直りの速さが見て取れる。

S&P500はまだ回復途中だけど、VGTは文字通りのV字回復。

 

S&P500の採用銘柄のうち、多くの企業がコロナによる影響を受けている。

特に旅行産業や航空会社、自動車産業、石油産業などは大きな痛手を受けた。

 

一方で情報技術セクターに採用されている企業では、リモートワークや巣ごもりなどによる需要が追い風となって、コロナ下でも逆に売上を伸ばしているところもあった。

マイクロソフトCEOのナデラさんが、この2か月で2年分の変革をしたと言っていたのも印象深い。

情報技術セクターは、元々競争が激しく、変化のスピードが速いので、すでに変化への適応力が高い企業しか生き残っていないことも影響していそう。

 

 

トータルリターン

ティッカー VGT VOO
基準日 2020/5/31
1年 35.90% 12.79%
3年 23.13% 10.19%
5年 20.33% 9.82%
10年 18.67% -

 

これまでS&P500は長期では平均7%の成長をしてきたというデータもあるけど、直近の3〜5年リターンは10%程度と、この数年は株式投資にとってはいい時期だったことがわかる。

 

VGTのパフォーマンスは、2桁成長で順調そのもの

10年単位でみても18%超えと優秀すぎる。

VGTは、収益成長率も2桁成長なので、ただの人気だけではなく、ちゃんと実体を伴っていると見て良さそう。

 

2020年3月のコロナショックからもあっという間に回復しており、情報技術セクター採用銘柄の底堅さ、力強さを見せつけていた。

テレワークに限らず、パソコンやスマホ、そのほかの情報技術は今や生活に欠かせないものであることを再認識した。  

 

 配当金

ティッカー VGT VOO
データ基準日 2020/5/31
株価(終値) 261.03 279.75
直近1年間の分配金 2.9642 5.2938
分配金利回り 1.14% 1.89%
配当スケジュール 四半期ごと(3.6.9.12月)

※配当利回りは、直近1年間の分配金 ÷ 基準日の株価(終値)で算出

※直近1年間の分配金は2019年6月期~2020年3月期まで

  

VGTの配当利回りはあまり高くない

理由の一つは、成長性があって、人気が高く、単純に株価が高いから。

 

もう一つの理由は、成長企業は利益を株主に配当として還元するよりも、事業に再投資した方がいいから。

企業が成長してくれれば株価もついてくるので、株主の多くは高い配当を出して欲しいとは思っていない。

例えば、アマゾンやグーグルはずっと無配だけど、みんなお金を出すので株価が上がっている。

 

反対に、企業が成熟してくると、利益があっても再投資するための高リターンな事業がないので、配当や自社株買いなどで株主に還元するようになってくる。

 

要は、企業の中で再投資に回してお金を増やしてもらった方がいいのか、それともお金を返してもらって別のところで増やした方がいいのかの違い。

これが、キャピタルゲイン(株価値上がり益)を取りに行くか、インカムゲイン(配当)を取りに行くかの簡単な分け方。

 

ちなみに、投資信託の場合は、正確には「配当」ではなく「分配金」というけど、個人投資家からすると呼び方なんてどっちでもいいと思ってるので、説明文中では配当を使ってる。上場投信(ETF)の場合は、タコ足投信もない。

 

四半期ごと配当金額

  3月 6月 9月 12月 年間分配金
2004年 - - - 0.6090 0.6090
2005年 - - - 0.0910 0.0910
2006年 - - - 0.1360 0.1360
2007年 - - - 0.1750 0.1750
2008年 - - - 0.3260 0.3260
2009年 - - - 0.2500 0.2500
2010年 - - - 0.3620 0.3620
2011年 - - - 0.4850 0.4850
2012年 - - - 0.8330 0.8330
2013年 - - - 0.9440 0.9440
2014年 - - - 1.1710 1.1710
2015年 - - 0.9850 0.4030 1.3880
2016年 0.4070 0.3500 0.4030 0.4330 1.5930
2017年 0.3630 0.4060 0.4190 0.4370 1.6250
2018年 0.3776 0.4878 0.6488 0.6406 2.1548
2019年 0.5968 0.6376 0.8344 0.6513 2.7201
2020年 0.8409        

 

配当が出たのは2010年からと思ってましたが、ETF設定当初の2004年から出てました。

当初は12月のみの年1回だったけど、2016年以降は3・6・9・12月の年4回出ている。

 

配当成長率

  年間分配金 増配率 5年複利 10年複利
2004年 0.6090   - -
2005年 0.0910 ▲85.1% - -
2006年 0.1360 49.5% - -
2007年 0.1750 28.7% - -
2008年 0.3260 86.3% - -
2009年 0.2500 ▲23.3% ▲16.3% -
2010年 0.3620 44.8% 31.8% -
2011年 0.4850 34.0% 29.0% -
2012年 0.8330 71.8% 36.6% -
2013年 0.9440 13.3% 23.7% -
2014年 1.1710 24.0% 36.2% 6.8%
2015年 1.3880 18.5% 30.8% 31.3%
2016年 1.5930 14.8% 26.9% 27.9%
2017年 1.6250 2.0% 14.3% 25.0%
2018年 2.1548 32.6% 17.9% 20.8%
2019年 2.7201 26.2% 18.4% 27.0%

 

2004年の配当が異様に高いので、翌年が大幅なマイナス。この年はQQQの配当額も高いけど、何があったんだろう・・・

 

それ以降は、リーマンショック後の2009年を除けば、配当は増え続けている。

2012年には前年比71%と大幅に増えているけど、ちょうどその年からアップルが配当を出し始めたので、それが影響していそう。

 あと、2018年に前年比で32%も伸びているけど、この年に無配のアルファベット(グーグル)とフェイスブックがセクター変更でいなくなったことが影響してるのかもしれない。

 

単年度のゆらぎを減らすために、5年複利で見ると、2019年時点の年間増配率は18%と4年で倍になるペースで伸びている

でもこの数字には、グーグルとフェイスブックが抜けたことによる影響もあるので、今後もこのペースで配当を増やしていけるかは分からない。

収益成長率は15%ほどなので、良くてもそれくらいのペースだと思われる。

ちなみに、2019年時点の10年複利は、比較年が2009年で落ちた年なので高く出てます。

 

配当実績と増配率のグラフ

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数字だけだとイメージが湧かないので、配当と年間増配率をグラフにしたものを作ってみました。

おおむね右肩上がりで増え続けていることがわかります。

2020年はコロナショックで減配や配当を停止する企業が増えているけど、情報技術セクターの企業は減配リスクが高くなさそう。

 

 

構成銘柄

構成銘柄上位10社

  銘柄 ティッカー 構成比 累計構成比
1 Apple AAPL 18.12% 18.12%
2 Microsoft MSFT 17.25% 35.37%
3 Visa V 4.05% 39.42%
4 Mastercard MA 3.51% 42.93%
5 Intel INTC 3.51% 46.44%
6 NVIDIA NVDA 2.81% 49.25%
7 Cisco Systems CSCO 2.64% 51.89%
8 Adobe ADBE 2.43% 54.32%
9 PayPal Holdings PYPL 2.25% 56.57%
10 salesforce.com CRM 1.92% 58.49%

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アップルとマイクロソフトの2社だけで全体の4割近くを占めているので、この2社の影響を大きく受けることになる。

VGTは、構成銘柄数は300以上あっても、上位10銘柄で全体の6割近くを占めているので、あまり分散は効いていない。

集中投資が好きな人には向いていて、私もその一人。

 

また、ビザやマスターカードといったクレジットカード会社が金融セクターではなく、情報技術セクターとして採用されているのも特徴的。

同じクレジットカード会社でも、アメリカン・エクスプレスは金融セクターETF(VFH)の方に含まれている。

この違いは、決済システムサービスの運営のみのビザ&マスターカードと、クレジットカード発行まで自社で行っているアメリカン・エクスプレスとの違いが大きく影響していると思われる。

 

この記事の最初の方で書いたように、セクター分類はSPDJIとMSCIのさじ加減次第です。

 

 解説

上位10社を簡単に説明すると、

 

1位:アップル(AAPL)

iPhone、iPad、Macなどのハードウェアなどを製造している。

iOSのアクティブ端末数は15億台と驚異的な数字なので、この記事を読んでいる人の中にもアップル製品を使っている人も多いはず。

最近では、ハード部門だけでなく、サービス部門を伸ばそうとしている。

時価総額世界1位の座はアップルかマイクロソフトのどっちか。

 

2位:マイクロソフト(MSFT)

WindowsやOfficeなどのソフトメーカー。

ゲーム機のXboxやSurface PC・タブレットなどのハードも作っている。

クラウド分野も好調。仕事をしていると、マイクロソフトの製品から逃れるのは至難の業。

 

3位:ビザ(V)

クレジットカードの世界的ブランドであるビザカードの会社。

決済高では世界トップ。利益率も非常に高い。

自社ではクレジットカードは発行してないので、貸し倒れリスクもない。

 

4位:マスターカード(MA)

クレジットカードの世界的ブランドであるマスターカードの会社。

ビザに次ぐ世界2位だが、年々差が縮まっている。

昔のCMの、お金で買えない価値がある。買えるものはマスターカードで、のやつ。

 

5位:インテル(INTC)

世界最大の半導体メーカーで、パソコンなどのCPUを主に製造している。

CMでよくやってた、インテル入ってる、のあれ。

最近はAMDに大きくシェアを奪われているので、インテル入ってないPCが増加中。

 

6位:エヌビディア(NVDA)

映画やゲームなどのコンピュータグラフィックなどでも使用される、グラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)と呼ばれるグラフィックコントローラを製作している。

2019年時点では、PC部門ではiGPU(内蔵)のシェアはAMDに抜かれたが、dGPU(分離)では圧倒的なシェアを持っている。

パソコンだけじゃなく、プレイステーション、任天堂スイッチなどのゲーム機にも入っている。

 

7位:シスコシステムズ(CSCO)

ネット接続用ルーターやスイッチなどのネットワーク機器の世界大手。

データセンターやセキュリティ分野にも力を入れている。

 

8位:アドビ・システムズ(ADBE)

PDF編集ソフトやイラストレーターやフォトショップなどのソフトウェアメーカー。

買い切りのライセンスからサブスクリプション方式に移行して、利益率が上がった。

パソコンやスマホを使ってれば、PDFでお世話になったことがあるはず。

 

9位:ペイパル(PYPL)

決済サービスシステムを運営している会社。

個人間取引に強く、たまに通販とかの支払いでも目にする。

 

10位:セールスフォース(CRM)

企業向けの顧客関係管理(CRM)ソフトウェアで世界首位。

ふつうの人は知らない人のほうが多いかも。

売上成長率は非常に高いけど、利益率は低い。

 

 

ちょっと強引めだけど上位10社を簡単にまとめてしまうと、

アップルマイクロソフトのPCやスマホは、ビジネスと日常生活に必須。

そのPCの中にはインテルのCPUとエヌビディアのGPUが入っている。

ネットを使うのには、データセンターでシスコシステムズのルータやスイッチが必要。

また、PCやスマホを使ったネットショッピングでは、ビザマスターカードペイパルといった電子決済手段も必要。

ビジネスや日常では、アドビのPDFが必要で、業種や人によってはイラレ、フォトショ、インデザインなども必須。

あと、企業の顧客管理には、セールスフォースのCRMソフトも重要。

 

情報技術セクター企業の財・サービスは、ビジネスだけでなく、大半の人にとって生活必需品になっているので、これからも成長を続けていく可能性が高い。

 

 セクター別構成比

セクター 構成比
システム・ソフトウェア 21.50%
テクノロジー ハードウェア・コンピュータ記憶装置・周辺機器 19.49%
情報処理・外注サービス 15.40%
半導体 15.39%
アプリケーション・ソフトウェア 12.83%
情報技術コンサルティング・その他のサービス 4.55%
通信機器 3.81%
半導体装置 2.34%
インターネットサービス & インフラストラクチャ 1.52%
電子装置・機器 1.07%
電子部品  0.86%
電子製品製造サービス 0.70%
テクノロジー ディストリビュータ 0.53%

 

上位10社がどこに含まれるかというと、

アップルは、「テクノロジー ハードウェア・コンピュータ記憶装置・周辺機器」

マイクロソフトは、「システム・ソフトウェア」

ビザ、マスターカード、ペイパルは、「情報処理・外注サービス」

インテル、エヌビディアは、「半導体」

シスコは、「通信機器」

アドビ、セールスフォースは、「アプリケーション・ソフトウェア」

 

ところで、この情報技術セクター内をさらに細分化した構成比が、何の役立つのかは不明。使い道が分からないので、私は一切使ってません。  

 

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まとめ

  • VGTは、世界最大級のバンガード社が運用している、情報技術セクターに連動するETF。

 

  • 情報技術セクターは、成長性の高い企業の集まりで、成長率は米国市場のベンチマークであるS&P500(VOO)を超えている。

 

  • 成長性が高い結果、人気(お金)が集まりやすく、パフォーマンスもVOOを超えている。

 

  • 現在の配当利回りは低いものの、配当成長率は2ケタと高い。

 

  • 構成銘柄数は300社を超えているが、アップルとマイクロソフトで全体の4割ほどを占め、上位10社で6割、30社で8割近くを占めるなど、投資先が集中されている。

 

  • 情報技術セクター企業の財・サービスは、ビジネスだけでなく、大半の人にとって生活必需品になっているので、人口の増加に合わせて今後も成長を続けていく可能性が高い。 

 

おまけ

構成銘柄上位100社

銘柄数は全部で300銘柄以上あるけど、全体の9割を超えるので上位100社までのせてます。表が長くなりすぎても見づらいしね。

  銘柄 ティッカー 構成比 累計構成比
1 Apple AAPL 18.12% 18.12%
2 Microsoft MSFT 17.25% 35.37%
3 Visa V 4.05% 39.42%
4 Mastercard MA 3.51% 42.93%
5 Intel INTC 3.51% 46.44%
6 NVIDIA NVDA 2.81% 49.25%
7 Cisco Systems CSCO 2.64% 51.89%
8 Adobe ADBE 2.43% 54.32%
9 PayPal Holdings PYPL 2.25% 56.57%
10 salesforce.com CRM 1.92% 58.49%
11 Accenture plc ACN 1.67% 60.16%
12 Oracle ORCL 1.57% 61.73%
13 Broadcom AVGO 1.52% 63.25%
14 International Business Machines IBM 1.45% 64.70%
15 Texas Instruments TXN 1.44% 66.14%
16 QUALCOMM QCOM 1.20% 67.34%
17 Fidelity National Information Services FIS 1.11% 68.45%
18 Intuit INTU 0.98% 69.43%
19 ServiceNow NOW 0.96% 70.39%
20 Automatic Data Processing ADP 0.82% 71.21%
21 Fiserv FISV 0.80% 72.01%
22 Advanced Micro Devices AMD 0.80% 72.81%
23 Global Payments GPN 0.70% 73.51%
24 Micron Technology MU 0.69% 74.20%
25 Applied Materials AMAT 0.67% 74.87%
26 Autodesk ADSK 0.60% 75.47%
27 Analog Devices ADI 0.54% 76.01%
28 Lam Research LRCX 0.52% 76.53%
29 Workday WDAY 0.40% 76.93%
30 Cognizant Technology Solutions CTSH 0.38% 77.31%
31 Splunk SPLK 0.38% 77.69%
32 Amphenol APH 0.37% 78.06%
33 Square SQ 0.37% 78.43%
34 KLA KLAC 0.36% 78.79%
35 Synopsys SNPS 0.35% 79.14%
36 TE Connectivity TEL 0.35% 79.49%
37 NXP Semiconductors NV NXPI 0.33% 79.82%
38 Cadence Design Systems CDNS 0.33% 80.15%
39 ANSYS ANSS 0.32% 80.47%
40 Palo Alto Networks PANW 0.31% 80.78%
41 Microchip Technology MCHP 0.30% 81.08%
42 Twilio TWLO 0.30% 81.38%
43 Paychex PAYX 0.30% 81.68%
44 Motorola Solutions MSI 0.30% 81.98%
45 VeriSign VRSN 0.30% 82.28%
46 Xilinx XLNX 0.30% 82.58%
47 Okta OKTA 0.29% 82.87%
48 Marvell Technology Group MRVL 0.28% 83.15%
49 HP HPQ 0.28% 83.43%
50 FleetCor Technologies FLT 0.27% 83.70%
51 Fortinet FTNT 0.27% 83.97%
52 Keysight Technologies KEYS 0.26% 84.23%
53 Skyworks Solutions SWKS 0.26% 84.49%
54 RingCentral RNG 0.26% 84.75%
55 DocuSign DOCU 0.25% 85.00%
56 Corning GLW 0.23% 85.23%
57 Citrix Systems CTXS 0.22% 85.45%
58 Akamai Technologies AKAM 0.22% 85.67%
59 CDW/DE CDW 0.21% 85.88%
60 Maxim Integrated Products MXIM 0.20% 86.08%
61 Coupa Software COUP 0.20% 86.28%
62 Paycom Software PAYC 0.19% 86.47%
63 Tyler Technologies TYL 0.19% 86.66%
64 Leidos Holdings LDOS 0.18% 86.84%
65 Zebra Technologies ZBRA 0.18% 87.02%
66 Broadridge Financial Solutions BR 0.18% 87.20%
67 Jack Henry & Associates JKHY 0.18% 87.38%
68 GoDaddy GDDY 0.17% 87.55%
69 Arista Networks ANET 0.17% 87.72%
70 SS&C Technologies Holdings SSNC 0.17% 87.89%
71 Western Digital WDC 0.17% 88.06%
72 NortonLifeLock NLOK 0.17% 88.23%
73 VMware VMW 0.17% 88.40%
74 Trade Desk TTD 0.17% 88.57%
75 EPAM Systems EPAM 0.17% 88.74%
76 Zoom Video Communications ZM 0.17% 88.91%
77 Hewlett Packard Enterprise HPE 0.16% 89.07%
78 Seagate Technology plc STX 0.16% 89.23%
79 Qorvo QRVO 0.16% 89.39%
80 Dell Technologies DELL 0.16% 89.55%
81 Fair Isaac FICO 0.15% 89.70%
82 Black Knight BKI 0.15% 89.85%
83 Teradyne TER 0.15% 90.00%
84 Booz Allen Hamilton Holding BAH 0.15% 90.15%
85 Gartner IT 0.14% 90.29%
86 Slack Technologies WORK 0.14% 90.43%
87 MongoDB MDB 0.14% 90.57%
88 NetApp NTAP 0.13% 90.70%
89 Cognex CGNX 0.13% 90.83%
90 Trimble TRMB 0.13% 90.96%
91 Zendesk ZEN 0.13% 91.09%
92 Monolithic Power Systems MPWR 0.12% 91.21%
93 F5 Networks FFIV 0.11% 91.32%
94 Ciena CIEN 0.11% 91.43%
95 Guidewire Software GWRE 0.11% 91.54%
96 PTC PTC 0.11% 91.65%
97 Western Union WU 0.11% 91.76%
98 HubSpot HUBS 0.11% 91.87%
99 Entegris ENTG 0.10% 91.97%
100 Juniper Networks JNPR 0.10% 92.07%


 

データ出所

  • 運用会社である、バンガード社(米国版)

https://advisors.vanguard.com/investments/products/vgt/vanguard-information-technology-etf#fundmanagement

  •  情報量が多くて便利な、モーニングスター社(米国版)

https://www.morningstar.com/etfs/arcx/vgt/quote

  •  チャート比較が便利な、ヤフーファイナンス(米国版)

https://finance.yahoo.com/

 

Disclaimer

この記事は、私の個人的見解に基づくもので、さらに私には未来を予言する力もないので、投資の際にはご自身で最新かつ正確な情報を収集した上で、投資するかどうかを含めご判断ください。